東日本大震災から今日で1年。あらためてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りすると共に、被災地の一刻も早い復興と、避難生活を余儀なくされておられる方々が、少しでも早く平穏な生活に戻ることができますよう、心よりお祈り申し上げます。
昨年3月11日の大震災のあと、燕温泉から車で約15分の「国立少年自然の家」にも多くの方々が避難して来られました。8月いっぱいで避難所として閉鎖されるまでの約半年、当館にも避難者の皆さまが温泉に入りに来られましたが、その中で、福島県南相馬市の”木下さん”という60歳代のちょっと太めのおじさんが、とにかく毎日のように(ほぼ毎日でした!)当館に通って来られたのです。
ウイスキーが大好きなそのおじさんは、ウイスキーを入れたペットボトルを持って、2時台のバスで来て、まず「黄金の湯」か「河原の湯」へ行き、それから必ず当館の温泉に入って、4時台のバスで帰るというのが日課になっていました。
医者にやせるよう言われたそうで、すぐにはバスに乗らず、まず歩いて、途中でバスに拾ってもらうというようなことを毎日していたようです。(私も途中で見つけて、車に乗せてあげたことがありました。)何よりも私たちをびっくりさせたことは、一人で何度も妙高登山に挑戦し、ついには山頂まで登ってしまったということです!まさに”Never give up!”の精神ですよね!こんな日々の努力の甲斐あって、約10kg!?減量したと言っていました。どんな時も”あきらめてはいけない”ということを、私たちは彼から学んだような気がします。
ご自分の置かれた状況が大変深刻であるにもかかわらず、いつも笑顔で、ちょっとエッチで、面白いおじさん、木下さん。今頃どうしているんでしょうか?
1年経った今、避難されていた方々のことが強く思い出されます…。